第38章 初めての全中
一方青峰は白金に言われた通りベンチに残っており、「なんですか話って…」と白金に問いかけるとゴホゴホッ…と咳をしてから話し始めた
白金
「青峰、私はお前に謝らなければならん」
青峰
「…!?」
白金
「練習で直接指導をしない時でも私はずっと部員を見てきた。もちろんお前のこともだ
すぐにとてつもない才能を秘めていることには気づいた。誰よりもバスケットを好きであることにも
そしてその才能が開花すれば今のようになるであろうことにも
気づいていたながら何も言わなかった…言えなかったのだ。お前の気持ちより、その才能が開いた先を見たいという感情が勝ってしまった
…だが言い訳にもならん話だがどちらにしろ私がお前に言えることなどなかっただろう
バスケをやっていれば誰しも壁や悩みに直面するが、そのほとんどが足りないことによるものだ
だがお前のように力がありすぎることを悩む者はいないしそれを解決できる指導者もいない
なぜなら指導者は選手を上達させることはできても、下手にすることはできないからだ
だから謝る…そして頼む。それでもその才能をムダにはしないでほしい」
青峰
「…え?」
白金
「今日勝つための懇願ではなく、これからのお前のためにだ。お前の悩みはすぐに解決できることではない、だがいつか解決できるかもしれん
投げ出すな。諦めなければ必ずとは言わん、だが諦めたら何も残らん」
青峰
「ちょっ…今のセリフ!」
白金
「うむ。パクった」
青峰
「いつの間に…!?聞いてたってこと!?」
白金の話しを聞いた青峰は少し悲しそうな顔をしてから上を向いて「…わかったっす」と返事をして
「今さらもう元には戻れねえ…それでも、まだ勝ちたいって気持ちは残ってる」と立ち上がった