第37章 小さな変化
その後の試合で青峰は寝かせた体勢でシュートを撃ったそれを見た観客は驚きの声をあげ、白金は完全に開花したことを確信した
虹村
「(スゲェ…これが、青峰の本当の姿かよ!!)」
桃井
「(けど…なんで?青峰くん…なんでちっとも、嬉しそうじゃないの…?)」
その日も帝光は試合に勝利し、その帰り道では黄瀬と緑間が2人で話していた
黄瀬
「最近青峰っちヤバくないっスか?あんなんだとバスケ楽しくてしょーがないっスよきっと!」
緑間
「…むしろ逆な気がするのだよ」
黄瀬
「は?なんでっスか?」
緑間
「あいつは誰よりもバスケを好きであるがゆえに、誰よりも欲しているものがある。それは自分と対等に勝負できる好敵手だ・今まででもあいつは強かった…が、まわりと比べて頭1つ程度だ
今のあいつは強すぎる。好敵手どころか逆にまわりとの差が開いてしまったのだよ。圧倒的に」
一方その頃黒子は青峰と一緒に帰っており、その内容を彼自身から聞いていた
青峰
「だからよ…頑張ったら頑張った分だけ、バスケがつまんなくなってくんだよ」
黒子
「青峰くん…」
青峰
「ま、バスケなんてとどのつまり遊びだしな。ノルマこなす程度にがんばって、あとはテキトーに…」
彼の話を聞いた黒子は口を閉じてから「それはダメです」と言いながらアイスを青峰の背中に入れた
すると青峰は「んなあっ~!?アイス!?」と声をあげた
黒子
「僕はいつもみんなについていくので精一杯です。正直青峰くんの感覚はわかりません…けど、もしどんなに力が離れてても、手加減されたり手を抜かれたりするのは、僕が相手だったら絶対してほしくないです」
青峰
「…テツ」
黒子
「それにどうせ、青峰くんより強い人なんてすぐ現れますよ」
そんな彼の言葉が響いたのか、翌日青峰はふっきれて楽しそうにプレイし、帝光は1位で全中出場を決めた
それを報告のメールを入れると荻原はニッ…と笑って画面を見た
「おーい何やってんだ。おいてくぞシゲ!」
荻原
「あ、うぃーす!はー暑っち…夏に…ってかもう夏だぜすっかり
けどもうすぐ会えるってことだわな!俺もスタメンになったぜ黒子。楽しみだ!」
そう言った荻原は持っていたうちわで風を仰いだ。そして、黒子にとって初めての全中が始まる