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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《2》

第37章 小さな変化




真田
「だめだ。2年生中心と言ったがそれはあくまで単純に戦力的な意味での話だ。スタメンを外れたとしても主将は主将だ。チームをまとめるのは今まで通りお前がやって問題ない

こうなることを予測された上でお前は選ばれたし、ちょっとやそっとで変えるほど帝光主将の名は軽くない」


虹村
「わかっています…ですが、赤司の資質は俺以上です。あいつが主将をやった方がむしろチームのためと思います
それに俺は試合中しばしば熱くなりすぎる時がある。それで皆を引っぱっている部分もありますがやはり性分とは少し違う気がするんです」


真田
「…わからんな。思えば去年まだ1年の赤司に副主将をすすめたのもお前だった。赤司の資質については監督も私も感じていたし副首相を例外的に2人にすることを決めた
だがなぜそう急いで赤司にゆずろうとする?」


虹村
「…父が、去年の春から入院しています」


真田
「!」


虹村
「今はまだ落ち着いていますが、全中の頃にはどうなっているかわからないそうです。けどもし何かあったら…試合中ならばそれを放り出して、病院に向かいます。そうでなくても悪化の知らせを受ければ平静にバスケットなどできないでしょう

バスケは好きだし父のことを認めるのが怖かった…だから今まで言いそびれてました。本当にすみません」


真田
「…わかった。監督にも伝えておこう」


了承をもらった虹村が職員室を出ると左に妙に落ち着いた赤司が立っており、「おう。赤司か」と挨拶をすると妙に落ち着いた赤司は「どうも」と返事をした



虹村
「てかオメー…聞いてやがったな」


赤司
「いえ…最後の方だけです」


虹村
「1番聞かれたくないとこじゃねーか。…つーわけで少し早いが、これからお前が主将だ赤司」


赤司
「…まだ決まってませんよ」


虹村
「決まってるだろ!あの話聞いてまだ主将やらせる気かオメーは!…不安か?」


赤司
「いえ…虹村さんの心配をしているだけです」


虹村
「だろーな、だから俺は心配してねーわ。よろしく頼むぜ、赤司主将」


赤司
「…はい」



そう返事した赤司の背中からはどこか寂しさのようなものが感じられた





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