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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《2》

第36章 15番のユニフォーム



体育館の入り口には赤司が立っており、「最近見ないと思っていたらこんな所にいたのか」と声を掛け、後ろに本来居たはずの名前の姿はなく緑間と紫原の姿があった

青峰は赤司の問い掛けに「あー向こうの体育館は人が多くて…」と答え、対して「まあどこで練習しても構わないが…」と言って黒子を見た赤司は目を見開いた



赤司
「彼は?」


青峰
「ああ…いつも練習してんだ。名前はテツ」


紫原
「あれー、こんな人いたっけ?」


青峰
「1軍じゃねーからな」


紫原
「ふーん…そうなんだ。ねーもう行こーよー」


赤司
「いや…彼に少し興味がある。面白いな…初めて見るタイプだ」


緑間
「(何を言っているだよ赤司…?優秀な選手とはとても思えない)」


赤司
「もしかしたら、俺たちとは全く異質の才能を秘めているのかもしれない」


緑間
「(まさか、彼だと言うのか)」


赤司
「悪いが全員先に帰っててくれないか?彼と少し話がしたい」



他の3人が消えた後赤司は腰に手を当てながら黒子に「いくつか質問していいかな」と彼に質問を始めた

そしてその質問をすべて終えたあと赤司は「…なるほど。やはり面白いな。初めて見るよ。キミほど……バスケットボールに真剣に打ち込み、その成果が伴ってない人は」と黒子の傷をえぐるような事を言った



黒子
「すみません…ちょっと今、その言葉を受けとめることができる精神状態ではないです」


赤司
「ああっすまない、そうゆう意味ではないんだ。俺は感心しているんだよ
運動能力は低いが、運動神経は悪くない。頭が悪いわけでもなく、スポーツIQはむしろ高いと言っていい
キャリアと練習量も、十分経験者と呼べるものだ。にもかかわらず…キミを見てもなにも感じない

これは極めて特殊なことだ。普通どんな人間でも何かスポーツをある程度やりこめば、強弱の差はあれ、経験者特有の空気が出る、出てしまうものなんだ

平たく言えばキミは日常生活に限らず、スポーツ選手としても存在感があまりない
繰り返すが、これはとても特殊なことだ短所ではなくむしろ逆これはキミの長所だ。生かすことができれば必ず大きな武器になる」


黒子
「存在のなさ を生かす…?そんなこと……できるんですか?」」



彼の質問に赤司は黙り込んでから、難しそうに口を開いた







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