第34章 海常VS誠凛
笠松
「このまま行くぜ…!!」
森山
「笠松…!?」
中村
「けど火神はどうする?悔しいが今の奴はダブルチームでも…」
笠松
「かまわねえ、そのまま続行だ。まったく効果がないわけじゃねぇ、マンツーやただのゾーンよりはるかに動きを制限できる。残り4人は笠松・小堀・森山のゾーンでこらえる
黄瀬の足のことを知った時からこの状況は想定してた。ただし想定外だったのは、鏡の驚異的な成長速度だ
ハッキリ言って現状、誠凛5人にもれなく対応できるような都合のいい策はねぇ
だが点はとれる。やるだけやって点取られたらしゅがねぇ。ただし必ず取り返す!!死んでもくらいつくぞ!!」
「おお!!」
笠松はそう言った後にドリブルをしながら「情けねぇ話だ。必死でこらえて黄瀬が頼みの綱とはよ」と自嘲した。が、「だがそれでも、勝つためなら喜んでやってやるさ!!」と前を向いた
そんな彼を見ながら武内は4月当初の部活の気の緩み、誠凛に負けたことの屈辱、選手達の変貌、そして黄瀬をエースと呼ぶようになり、中心となったチームの事を思っていた
「だからこそ誠凛には感謝しているし、他のどのチームよりも勝ちたいと思っている」と言う武内の視線の先の選手達の気迫はすごく、誠凛の選手が息を飲んでいた
伊月
「…水戸部、黒子が下がって再び笠松主体でくる可能性が高い。そうなったらヘルプ頼む」
水戸部がコク…と頷いた後、笠松は今試合最高速度で伊月の事を抜いた。だが伊月は鷲の鉤爪を使いなんとか彼のボールを弾き、そのまま水戸部がとるかと思いきや笠松が転びながら小堀へと回した
小堀のシュートに木吉のブロックで指にかすったが早川は外れたボールをトンッ…と触り、リングの中へ入れた
「決めたー!!なんかムリヤリ決めたー!!海常の意地すげーぞ!!」
「うぉおー!!」
笠松
「まだまだぁ!!海常ナメんじゃねぇ!!」