第34章 海常VS誠凛

そんなやり取りを見ている名前は「あー…あれね」と彼のデビュー戦を思い出しており、その横で福田と河原が降旗の事を「アイツ人１倍ビビリで…」と心配していた



伊月
「大丈夫…だからこそいいんじゃないか。ってことだろ？ビビリは短所じゃないさ、臆病だからこそできることもある」


福田・河原
「ビビリの降旗にできること…！？」


相田
「そ、まー見てなさい」


伊月
「（監督のやろうとしてることはわかるし、降旗は適任だ…が、まだまだだな俺も…）」



フウ…と溜め息を吐く伊月の視線の先には笠松と対峙している降旗がおり、彼を見た火神は「ヘイ」とパスをもらった



火神
「（次は外さねェ！！）勝負だ黄瀬ぇ！！」


黄瀬
「ハッ、望むところっスよ！」


降旗
「火神ストップ！おちつっ、おっちつ…おちゅちゅけ！！」


火神
「は！？なんつ…いや、お前がおちつけ！！まだキンチョーしてんの！？」



ブルブルと震える降旗を気にした火神は彼にボールを戻し、そんな彼に黄瀬は「なんだこないんスか？」と火神に問いかけた。すると火神は「うっせぇひとまず仕切り直しだ」と言った

すると誠凛の雰囲気が変わったことに武内は気づき、「パスを回しゆっくりな慎重な攻めだ…！！」と彼らの様子を見ていた

その事には笠松も気づいており、「目的はペースダウンか…！」とまた何かを考え始めた



笠松
「（しかもただのんびりしてるってわけでもなさそうだ。さっき火神が以降とした時小堀と早川の備えが早かった仮に黄瀬を抜いてもすぐにヘルプにつかまっていたはず。コイツ…）」


小金井
「監督…これって…」


相田
「そう！ビビリってのは言いかえれば、それだけ用心深いってことよ！つまりムチャな攻めは絶対しない。しかもPGのとして彼が得意なのはスローゲーム
今回みたいにペースを変えたい時に、彼ほどうってつけな選手はいないわ！」



そんな風に褒められる降旗は未だ緊張しており、彼は先程相田といした会話を思い出していた



降旗
「あの…出たら俺は何をすれば…」


相田
「え？何も？いつも通りでいいわよ」


降旗
「…え"？」


相田
「いつも通り時間たっぷり使って、あなたのペースでやってくれればいいわ」


降旗
「…！」