第6章 海常vs桐皇
黄瀬
「センパイ、あと5分ッス」
笠松
「…オウ」
観戦者からの声が聞こえる中、笠松は息をゆっくり吐いて集中力を高めていた
そこに黄瀬が呼びにやって来て、いつもとは違う決まった顔で笠松へと疑問というほとではないが、言葉を投げかけた
黄瀬
「I.H来てからよくそうしてるッスね」
笠松
「ウチは去年のI. H優勝すら望める過去最強メンバーだったが、結果は知ってるか?」
黄瀬
「確か…初戦敗退ッスか?」
笠松
「ありゃ俺のせいだ。1点差の土壇場でパスミスして逆転を許した
先輩達の涙、OBからの非難、俺は辞めようとまで思った。けど監督は俺を主将に選んで言った」
"だからお前がやれ"
笠松
「そん時に俺は決めた。償えるとな想ってねぇ、救われるつもりもねぇ
それでもI.Hで優勝する
それが俺のけじめで、主将としての存在意義だ」
そう語る笠松の目は真っ直ぐで、よほど強い意思なのだろう。と感じとった
黄瀬は少し驚いた表情をしていたが、彼ならば大丈夫だろう
黄瀬
「ふーん。まあ俺は青峰っちに初勝利が目標ってぐらいッス」
笠松
「あっそ」
黄瀬
「まあ…死んでも勝つッスけど」
笠松
「…あっそ」