第32章 海常VS福田総合
名前
『…そうか、バスケの試合か…』
紫原
「名字ちん、マネージャーじゃなかったんだね」
名前
『うん。監督だったね』
笑う彼女を紫原ギュッと抱きしめて、試合終了から流している涙をより流し始めた。そんな紫原に彼女はいつもは立場逆なのに…と思いながら彼の涙をたまたま持っていたタオルで拭い始めた
そんな彼女を紫原はよりいっそう力を入れて抱きしめて、その温もり等に彼女も涙を流し始めた
紫原
「あ、名字ちんチョコ食べるー?」
名前
『立ち直り早いな』
どこからともなくチョコレートを出した紫原は名前の口にチョコレートを咥えさせた。その事を不服に思いつつも名前は嬉しそうに笑っており、チョコレートを口に入れた
名前
『あとは征十郎だけかー…うーん…思い出してくれるかな…』
紫原
「大丈夫だよー。あと赤ちんだけって事はみんなおもいだしたんでしょー?」
名前
『そりゃそうだけど…』
紫原
「ただ勝てるかはわからないけどー」
名前
『エグいとこつくなよ』
チョコレートをまた1つ口に入れた彼は「でもまあ、名字ちんがいるなら勝てるんじゃない?」と真顔で言った
「恐らく冗談ではないんだろうなぁ…」と思った彼女はハッと何かを思い出したようで、紫原に「氷室さん!氷室さんどこに行った!?」と問いかけた
その事に紫原はものすごく適当に場所を説明すると、彼女はごめん!と謝って彼から離れていった
紫原
「あー…、これ渡したかったのになー…」
去っていく彼女の背中を見つめながら紫原はお菓子の携帯ストラップを手にしており、ゆるい溜め息を吐いてから彼は小さなそれを握り締めた
そして彼は陽泉高校の控え室へと戻っていった