第30章 氷室VS火神 紫原VS木吉
相田
「今のところいいカンジね。OFはこのまま、ついでに向こうはいいとこでT.Oをとってくれたわ。交代よ火神くん!これ以上ウダウダ言うのはなし!準備はいいわね?」
火神
「ああ!」
そうしてT.Oは終了し、火神もコートに再度出てきた。そんな彼は氷室に「わりーな。みっともねーのはもう終わりだ」と氷室に言い、氷室も彼に「…そう願うよ」と返した
試合も再開され、やはりボールは氷室に回された。彼の視線の先にいる火神は脱力した構えをしており、氷室と青峰はそれに反応した
氷室
「(これは…青峰と同じ自然体の構え…力を抜いた野生を最も発揮しやすい形だ)」
降旗
「火神…!!頼む…!!」
黒子
「…大丈夫です」
そう言う黒子の脳内では先程火神が頼んできた内容を思い出していた
火神
「俺がいつも身につけてるそこの指輪、捨ててきてくれねーか」
黒子
「…え?…いいんですか?氷室さんとの大事な思い出を捨ててしまっても…」
火神
「いいんだ。あんなもん持ってても俺には未練でしかねえ。それにただ捨てたいだけじゃないからな
タツヤとの過去とお前らとの未来じゃ、どっちが大切かなんて決まってらあ」
そう笑う火神は少し切なそうに笑っていたことなど思い出しながら、黒子は「火神くんはもう、誰にも負けません」と言い切った
彼の目線の先で火神は氷室のシュートのフェイクに騙され、ドライブで抜かされそうになっていた。そしてそんな彼のヘルプに日向が出たがそのドライブさえもフェイクで、「なんて奴だ!」と思いながらシュートを見ていた
だが火神はそんなフェイクばかりの氷室のプレイを見抜いたのか、無理な体勢から氷室のボールを落とした
氷室
「(バカな…あの体勢と距離から届いただと!?)」
火神
「こっからが本当の勝負!!氷室ォ!!
伊月は火神が叩き落としたボールをラインギリギリで拾い、火神へパスを出した。そして行く先には紫原が居り、彼は「この状況は…」とストバスのことを思い出していた
紫原は向かってくる火神に「ちょうどいいや。あの時の決着まだだっけ?今度こそひねりつぶしてやるよ。火神ィ!!」と立っていた