第30章 氷室VS火神 紫原VS木吉
「来たぞ!!うわぁけど何度見ても慣れねー!!あいつさっきまでCやってた奴だろぉ!?木吉PG!!」
福井
「(テメーみたいなでけーのに何度も抜かれっかよ!!)」
木吉は土田へとパスを出し、観客は岡村対土田で戦うのかと驚いていたが土田は「いやぁ…それはさすがに…ちょっとキツいよ」と言い木吉にボールを戻した
そして木吉は3Pラインに立ちシュートフォームに入り、紫原は入らないと分かっているのにブロックに跳んでしまった
伊月は挟まれても先ほどと同じようにパスを日向へ出し、日向もシュートを決めた
日向のシュートにより誠凛との点差が1桁になったからか、陽泉はT.Oをとって何か話していた
青峰
「緊急T.Oか、さすがに予想外だったみてーだな」
桃井
「確かにすごい…けど、この作戦ってつまりムッくんを木吉さんに引きつけるためでしょ?
けど彼の中長距離シュートの確率の悪さを考えたらムッくんはムリして跳ぶ必要はないんじゃ…?」
青峰
「リクツじゃそうだが実際はそう単純じゃねーよ。そうさせないために伏線はってたんだろう」
桃井
「え?」
青峰
「1つ目は直前3P、あれを1発で決めたのはでけぇ。確率の悪さを知っててもなお「また入るかも」と思われるには十分なインパクトだった
しかも木吉には「後出しの権利」ってのがあんだろ?いざシュートに行く時もフェイクじゃなくて途中まで本気で撃ちに行ってる
もう1つは…まあ紫原の様子からの推測でしかねーけど…紫原発して怒らせただろ。たぶん」
桃井
「え!?」
青峰
「何言ったかは知んねーけど、まー元からあーゆータイプは嫌いだしなあいつは。そーゆー伏線が紫原をとっさに動かせてちまう」
桃井
「(よく見てるなー…バスケについては)」
青峰
「自分が嫌われてることまで作戦に組み込んじまうんだから。人の良さそうな顔して実はしたたかもいいトコだ」
その頃日向も同じような事を考えていたのか「そーゆートコ図太いよなコイツは…昔から…」と溜め息を吐いていた
張本人である木吉は福田からタオルを受け取って汗を拭いていた。伊月は彼を見ながら「すごい汗だ…」と思いながら彼のプレイが入れ込みすぎにも感じると、様々な事を考えていた