第30章 氷室VS火神　紫原VS木吉

そして火神は紫原との１対１をどうするかと悩んでいたが、「ここで退いたらエースじゃねぇ！！」と跳んだ。紫原は彼の高さに驚いたが、だがそれだけで勝てると思ってんならと思い、「調子のってんじゃねーよ！！」と声を荒げた

火神はそんな彼にボールを叩き落とされ、シュートを決めることができず、吹っ飛ばされてしまった。その事に驚きながら日向は倒された火神に腕を差し出した



日向
「火神！！大丈夫か！？」


火神
「すんません。大丈夫す」


福井
「ナイスブロック！」


紫原
「あ…うん
（なんだ今のは…ブロックに行く直前…あいつは確かに何かやろうとした…おそらくあれはただのダンクじゃない…失敗だ。何か新しいシュートの）」



そんな火神のことを見ている黒子は少し驚いているようだったが、そんな事を気にせず木吉のPGにより誠凛は反撃を始めた。だがそんな彼に岡村と劉と福井のトリプルチームを仕掛けた

外にいる日向にも氷室がついており、陽泉は何か考え始めたようだった



荒木
「（要注意なのは中の攻撃の起点木吉…そして外の日向だ。それにウチにとってこんなことは賭けでもなんでもない
紫原がゴール下にいる限り、陽泉のDFは揺らぐことはない）」



木吉はトリプルチームに苦戦しているのか息が少し乱れており、少し気を緩めただけでボールを奪われてしまった。よって陽泉の速攻が始まり、コートに落ちた汗を拭う男子が急いでコートの外へと出た

氷室はそんな彼らを見ずに目の前にいる火神に陽炎のシュートを出そうとした。それをブロックしようとした彼は、先ほどの男子が拭いそこねた汗で足を滑らせてしまった



火神
「（くそっ…こんな時に汗で…！！ダメだ…やはりこのタイミングじゃ間に合わな――）」



そう火神が思って跳んだ結果、彼の指先にボールが掠りシュートは外れた。その事から火神は陽炎のシュートの秘密が分かったようだった

そうして攻撃は再び誠凛に移ったものの木吉にトリプルチームがついたままでボールは仕方なく伊月に渡された

彼は周りを見ると全員マークが付いていたためルールの「24秒以内にシュートを打たなければならない」を破ってしまうからと仕方なくシュートを打ったが、焦っていたせいなのか外れてしまった