第29章 紫原VS黒子
氷室はシュートに入り跳んだように見え火神もブロックに跳んだ。だが彼のはフェイクで、氷室は火神を抜いていった
そのフェイクには青峰も引っかかったらしく、「俺も一瞬ひっかかった…」と少し怒っていた
そんな氷室に日向がヘルプにつき、火神も立て直しが早くはさみうちとなった。だが彼はシュートをし、リングにボールを潜らせた
カメラマンもゴトンッとカメラを落とし、その音に見とれていた観客も戻ってきたようだった
日向
「(見えてたのに反応できなかった。なんてなめらかさだ…!)」
降旗
「主将も火神もまったく反応できないなんて…」
福田
「いったいどんなトリックが…!?」
相田
「…何もしてないわ」
福田
「え?」
相田
「彼はストップ→ジャンプをしただけ…そのつなぎがあまりにスムーズだったかた、2人ともシュートモーションに入ったことに気づかなかったのよ
その前火神くんを抜いた所からごく普通のプレイしかしてないわ。シュートフェイク→ドライブ→ストップ→ジェンプシュート。ただ1つ1つのプレイの質が高すぎるのよ
彼はいわば型にはまらない青峰くんと対局、基本に忠実な超洗練された超正統派。まるで流麗な舞いだわ…!」
彼らの視線の先にいる氷室は「っらあ!!」と拳を握り締め、火神は小さい頃氷室が言っていた「頭は冷静に心は熱」を思い出し、「相変わらずだぜ…!」と呟いた
その後、日向も3Pシュートを放ったがそれはリングに当たってしまいベンチも苦い顔をしながら見ていた。だがなんとかネットを潜り、苦い顔をしていた彼らも笑った
「決まったスリー!!誠凛もくらいつくー!」
福井
「くそっ」
岡村
「単発にすぎん。気にするな!苦し紛れに入っただけじゃ」
福井
「うっせーなわってるよアゴリラ!」
岡村
「なんで悪態つかれてんのワシ!?」
劉
「早くボール入れろアルモミアゴリラ」
岡村
「足すな!!」
ナイスと伊月と日向はハイタッチを交わしていたが、黒子が下がったことによりまた外のマークが厳しくなったらしく、中で点とれなきゃ…と日向は困っていた
そんな中木吉は紫原のことを見つめていた
紫原
「にらんだって何もさせないよ。あんたじゃ俺には勝てない」
木吉
「やってみなきゃわからないだろ?勝つさどんな手を使ってもな」