第30章 氷室VS火神 紫原VS木吉
「来たぞ!!火神対氷室!!後半陽泉の攻めはとことん氷室で行く気だ!」
氷室
「…まだだな」
火神
「!?」
彼らのやり取りを見ている紫原はだるそうに立ちながら目を細め、氷室とした会話を思い出していた
紫原
「室ちんはなんで火神とあんな約束したの?」
氷室
「え?」
紫原
「その指輪の話、あれって要はどっちが勝っても兄弟やめるってことでしょ?」
氷室
「そんな話したっけ?」
紫原
「ストバスの帰り!ごまかせてないよ」
氷室
「……そうだよ。俺はタイガと兄弟であることをやめたいんだ。
子供の頃は明らかに実力差があって何も感じなかった…だが、メキメキと成長し中学の頃には俺と肩を並べるまでになったあいつを見てある日確信してしまったんだ「あいつだけには負けたくない」
だから兄弟ってカセが邪魔だったんだよ、特にアイツは本気でやっているつもりでも無意識にセーブがかかってしまう。俺は本気のタイガと戦って、叩きつぶしたいんだ」
もちろんそのことを覚えてる氷室は火神に「お前まだ…心のどこかで、俺を兄として見てるんじゃないだろうな?」と怖い目で彼を見てから氷室はジャンプをし、火神も今回はフェイクじゃないと跳んだ
だがボールは火神のブロックの手をすり抜け、氷室はそのシュートを「陽炎の(ミラージュ)シュート」と呼んでいた
ブロックをすり抜けたボールに観客も誠凛も驚いており、木吉は「これはストバスの時に1度だけ見せた…!」と思い出しており、日向も「ありえねぇ…ボールがブロックをすり抜けやがった!?」と驚いていた
小金井
「黒子…今のは…」
黒子
「…わかりません。一見僕の幻影シュートに似ていますが、おそらく仕組みも特性も全く別物です
それにもしかしたら…仮に見破ってもあの人のシュートは、止められないかもしれない…!」
氷室
「俺とお前は今や敵同士だ。もっと殺す気でこいよ」
氷室の表情はとても怖く、殺気さえ感じるような気がした