第28章 緑と青と2,3回戦
名前
『テツヤ、さつき!あと大輝!!』
黒子
「名字さ――」
桃井
「名字ちゃん!!久しぶり!!」
黒子が何か言おうとした所に丁度スポーツドリンクをもってきた名前がやってきた。青峰は「あとってなんだよあとって」と軽く怒っていたが、桃井は先ほど黒子に抱きついたように彼女に抱きついた
彼女は名前の肩に顔を埋めてからパッと顔をあげて「大ちゃん一昨々日の朝泣いてたんだよ」と教え、そして最近彼女からもらったタオルをやけに使うのだという。それを聞いた名前は少し嬉しそうに笑った
名前
『ほらテツヤ、大輝、スポドリあげる』
青峰
「おう、サンキュ」
名前
『さつきにはさくらんぼジュースどーぞ』
桃井
「ありがとー!」
名前
『あ、でテツヤ話の続きどーぞ』
黒子
「あ、はい。青峰くん、ありがとうございました」
お礼をいう黒子に青峰は少々照れたのか唇をとんがらせていた。そんな彼を見た桃井は優しげな目で青峰のことを見ており、名前は目を細めて笑っていた
そんな青峰は後頭部を掻きながら彼へのお礼の返事を始めた
青峰
「バァカなに礼なんか言ってんだよ。あんまりヘボイから見てらんなかっただけだろーが。紫原は強えーぞ、アイツは点を取るのは俺でも至難のワザだ」
それに…と話を続ける彼は「本当に礼を言いたいのは俺の方――」と少し俯きながら考えた
彼が何を言いたかったのか聞きたかった黒子は「なんですか?」と問いかけたが、「なんでもねぇよ」と隠されてしまった
青峰
「じゃあな!俺はもう行くぜ!次に会うのはまた、敵としてだ」
その発言に黒子は真剣な表情をして彼の背中を見つめていた
しかし青峰は言い残したことがあったのか、少し振り向いて口を開いた
青峰
「―――、テツ」
黒子
「…え」
青峰
「行くぞさつき」
桃井
「ちょっと!待ってよ大ちゃん!」
青峰の横で手を振る桃井に手を振り返す名前の表情はとても優しい顔をしていた。また、その隣にいる黒子は「…はい」とまた優しく微笑みながら彼の背中へと返事をした