第28章 緑と青と2,3回戦
名前
『本…で、思い出したの?』
青峰
「ああ…なんか俺達にすげー似てる話だった」
名前
『(なんだその真っ白な空間って…でも1人…)』
記憶が戻った人が1人増えたことに彼女は喜び、また青峰が思い出したことをより喜んでいた。そして視界が滲み始めた彼女はゴシゴシと再び目元を擦った
そんな彼女を見た青峰は彼女の目線に合うまでに屈んだ
青峰
「…もしかして泣いてんのかよ」
名前
『泣いてない』
青峰
「泣いてんじゃねーかよ」
名前
『泣いてない!』
青峰
「はいはいわーったよ」
わしゃわしゃと頭を撫でてくる青峰に名前は怒りつつ、ペシンペシンッと力なく彼のことを叩いてた。そんな彼女を青峰はケラケラと笑っており、笑い声を聞いた名前は青峰へ本気で1発殴りを入れた
痛がっている青峰を放って名前は「キセキの世代が思い出すにはなんかあんのかなぁ…」と考えはじめ、今までの彼らとの共通点を探したが試合後…というところだけだった
黒子
「…なんで青峰くん倒れてるんですか」
名前
『殴った』
黒子
「それは仕方ないですね」
名前
『認めんのかい』
また涙を拭った彼女は再び彼らの共通点を探した。が、黄瀬は青峰負けており、緑間は引き分け、青峰には勝ったとかなりまちまちだった
そのことに彼女は今日何回目か分からない溜め息を吐き、青峰のことを起こし起き上がらせた
青峰
「ったく…いてーよ」
名前
『子供扱いした大輝が悪い』
その言葉を名前言った途端に青峰は黙り込み、彼女の目をジッと見ていた。青峰の謎の行動に彼女は「何」と言うと少し照れながら口を開いた
青峰
「…お前に青峰くんって呼ばれんの、違和感持ってたんだよ」
名前
『ほう』
青峰
「やっぱ名前って呼ばれる方がしっくりくんな、名字」
名前
『急に名前で呼ぶなし!』
その後黒子のシュート練が進んでいないために会話は中止され、練習に徹底された。名前はそれでもすごく楽しそうに練習に付き合っていた
彼女の眼にまた変化が訪れていた