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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《2》

第26章 『ゾーン』





リバウンドの用意では誠凛からは火神と木吉、桐皇からは若松、諏佐、桜井が出され、日向以外の残りの面子は後ろで立って見守っていた

黒子も火神も青峰がセットから外れたことを疑問に思いながら、ボールの様子を見ていた
その張本人である青峰は深呼吸しながら、集中力を高めているようだった



青峰
「(いつからだろう…試合の日の朝、あくびをしながら家を出るようになったのは。いつからだろう…勝っても何も感じなくなったのは
俺に勝てるのは、俺だけだ。ただ俺はすべてをぶつけさせてくれる相手が欲しかった
ずっと望んでた、勝つか負けるかわからないギリギリのクロスゲーム)」



青峰の何かに光が差したとき、彼は黒子に向かって「感謝するぜ、テツ…」と言いながらまた不敵な笑みを浮かべ笑っていた
そんな青峰を見た黒子は目を見開いて驚き、そのうちにいつの間にか日向はフリースロー3本すべてを決めていた

再開された試合で青峰は今吉からボールをもらい、火神と対峙した。青峰の様子は先程とは全然違い、気付いたら火神は抜かされ、青峰は後ろでシュートを決めていた

それは『ゾーン』余計な思考感情が全てなくなりプレイに没頭する。ただの集中を超えた極限の集中状態
選手の持っている力を最大限引き出すことができる反面、トップアスリートでも偶発的にしか経験できない稀有な現象である

練習に練習を重ねた者だけがその扉の前に立つことを許され、それでもなお気まぐれにしか開くことはない。それは選び抜かれた者しか入れない究極の領域

だが青峰の才能はそれをあざ笑うかのように、その扉を自力でこじ開ける











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