第5章 ごめんね
夕方、コンビニへ行こうと靴を履いていると頭上から声が聞こえた
あまり話したくないのだがこれは仕方ない
高尾
「あ、名字ちゃん!どこ行くの?」
名前
『コンビニ』
高尾
「なら一緒に行こーぜ!」
名前
『構わないけど』
高尾
「っしゃ!」
明日の昼ご飯の材料を買い忘れたためコンビニに行くだけなのだが、まあ行き先が一緒なら別にいいか。と考えて2人並んで目的地へと歩き出す
和成と2人という空間は何年かぶりで、帝光に居たときの感覚に少し戻った気がした
高尾
「名字ちゃん何買うの?」
名前
『海苔と…か?』
高尾
「コンビニで売ってんの!?」
名前
『…無かったらおにぎり買って海苔だけ取る』
高尾
「ブッフォ!名字ちゃんの発想すげー!」
名前
『よく分からないけど誉め言葉として受け取っておくよ』
横で爆笑している和成を見ながら溜め息を吐いてコンビニへと足を進める
が、和成が急に足を止めたためあたしも釣られて足を止めた
高尾
「名字ちゃん…何で急に消えたの?」
名前
『…和成』
高尾
「急に連絡取れなくなって緑間達も忘れてっし…」
名前
『…ごめん、ね』
表情を歪ませる高尾にあたしはただごめん。と呟くしかなく、ひたすらそう呟いていた
否、それしかあたしは術を知らなかった