第16章 決勝リーグ進出だよ
降旗
「木吉さん…何か忘れ物ですかね?」
日向
「ん?まあ…そんなようなもんだ…」
火神
「…あの角にいた奴すか…」
日向
「なんだ火神、気づいてたのか?」
火神
「…かなりやるってことぐらいは…」
日向
「まあ…隠すことでもねんだけどな。少し前中学バスケ界で、最強と言えば帝光中学校の「キセキの世代」だった
言うまでもなく圧倒的な力で全中三連覇をはたした5人の天才
だが一つ上の代にもいたんだ。「キセキの世代」と渡り合うことができた5人の逸材、時代が違えばそいつらが「キセキの世代」と呼ばれていたかもしれない
木吉を含めたその5人は、「無冠の五将」と呼ばれている
そして火神に気づいたそいつは、その1人だ」
その頃無冠の五将である2人は先程と同じ体制のまま沈黙を続けていた
その沈黙を破ったのは木吉で、彼は花宮の方に体を向けてから話しかけた
木吉
「試合中見えてたよ。秀徳戦わざと出てなかったな」
花宮
「うん。悪い?」
木吉
「良いか悪いかは知らん。ただ好かん」
花宮
「…ふはっっ。相変わらずマジメすぎてキモいな木吉
今日がんばって手の内全部さらそうもんなら、3戦全部ガチの勝負になってダリーじゃねーか
目先の一勝なんてどーでもいんだよ。残り二つは勝手にお前らが負けるからな」
そう言い放った花宮は卑劣な顔をして笑っており、木吉は少々警戒心を出していた
誠凛では先程の話が続けられていて、降旗は素朴な疑問を主将の日向にぶつけた
降旗
「わざわざ挨拶に残ったってことは、仲いいんですか?」
日向
「逆だよ、悪い。そもそも木吉とは対極と言ってもいい奴だ
木吉を最もバスケットに誠実な男と呼ぶなら、奴は最もバスケットに不誠実な男だ」
先程の花宮の言葉に木吉は理解が出来なかったのか、本当に分からない。という表情をしながら疑問を言った
木吉
「…!?どうゆうことだ?」
花宮
「おっと、言いすぎたな。まずは秀徳とだろ?がんばってよ。マジで応援してるから!
ああ!あと…ケガ早くよくなってよ。心配してるんだからさ!」
花宮はそう言いながら木吉の横を去っていった
木吉はケガの心配をされていることに驚いたのか、別のことに驚いたのか分からないが、目を見開いて少しの間その場に立ち止まっていた