第16章 決勝リーグ進出だよ
対秀徳戦当日、天気は雨だった
そんな中緑間は会場のロッカールームの中で1人ラッキーアイテムの地球儀を傍に置き、ベンチに座っていた
そこに高尾が緑間を呼びにとやって来てドアを開け、壁に肘をついた
高尾
「そういや前も雨、降ってたな」
高尾が言った前とは、I.H出場兼決勝リーグ出場をかけた決勝トーナメントのことである
その際に秀徳は82対81で誠凛に負けており、天気は雨だったのである
高尾
「時間だ。行こうぜ」
緑間
「ああ」
高尾の言葉に緑間はベンチから立ち上がり、試合会場を目指しドアを出た
▽▽▽▽▽▽
「おおお、出てきたぞ!!誠凛と秀徳!!」
「決勝リーグ最注目カードだ!」
観客のテンションが上がっているのを聞きながら名前は観客席に向かい歩いていた
ドアを通り中へ入ると彼女は驚いて目を見開いた
黄色い頭が少し前の立ち見席にいたからである
黄瀬
「あ、名字っち!」
名前
『声も何も発してないのに何故分かったんだ』
黄瀬
「勘ッス!」
名前
『(何、超怖いんだけど)』
黄瀬は名前に寄り、彼女の手を握ってブンブン降っていると手を振り払わない名前に気がついたのか名字っちー!と叫びながら抱き締めた
しかし彼は腹パンをされてその場にうずくまり、彼女は冷ややかな視線を送りながら元いた黄瀬の場所へと立った
黄瀬
「一緒に見てくれるんスか!?」
名前
『まあ、断る理由もないし』
黄瀬
「俺まだ一緒に見ようなんて誘ってないッスよ?」
名前
『うるさい!』
黄瀬
「痛いッス!」
残念なことに黄瀬はまた名前に殴られてしまったが、彼は何故か笑顔を浮かべていた