第13章 支える
ふと歩いているとバーン!と音が鳴り、空を見ると花火が散っていくところだった
黄瀬
「あぁ~、始まっちゃった。始まる前には戻るつもりだったのに」
笠松
「黄瀬がかき氷に並んだりするからだろう」
森山
「笠松だって、鮎の塩焼き買うのに並んだじゃないか」
笠松
「ん、ううん。仕方ないだろう珍しかったんだから」
名前
『それならあたしだって…』
森山
「名字ちゃんはいいんだ
とりあえず戻ろう。買い出しに出たのに遅れたんじゃあ誠凛の人に悪い…の前に名字ちゃんか」
黄瀬
「そーッスね。ちょっと人多いけど走りますか!」
笠松・森山
「ダメだ」
黄瀬
「え?でも…急いだ方がいいッスよ?」
笠松
「そうだが、お前はダメだ」
黄瀬
「何でですかー」
森山
「はぁ…笠松、こいつにはハッキリ言ってやらんと分からんぞ?」
涼太が走ろうという意見に反対なのが疑問なのか、それともハッキリ言ってやらんと。という言葉のどちらに疑問を持ったかは分からないが、涼太は
「なんスか?」
と言葉を出した
あたしはそれをニヤニヤしながら見ており、その姿を見られたくない一心により浴衣の袖で隠していた
森山
「お前の足、負担かかったら困るだろう」
黄瀬
「あ、あ」
笠松
「お前は隠してるつもりかもしれねーけど、その足バレバレなんだよ」
森山
「黄瀬、練習がオフの日もIH前より走ってるだろ
無茶しすぎなんだよ。だから誘ったんだ」
黄瀬
「え…じゃあ女の子は?」
森山
「もちろんそれが1番の目的だ。お前はオマケな」
笠松
「ッハ、ひで
とにかく黄瀬は走るな。これは主将命令だ」
そういう笠松さんは真面目な顔をして、いい先輩だなぁとあたしの中で改めて思った