第13章 支える
黄瀬
「泣き止んだ…ッスか?」
名前
『死ねぇぇぇ!』
黄瀬
「ちょ、痛いッス!」
名前
『泣き止むどころか今なら怒りで血の涙が流せそうだわ』
黄瀬
「そんな怒ってんスか!?」
名前
『だって…せいじゅ、ろが』
ふと出てきた涙の意味は先程と変わり、彼への思い故になっていた
りんご飴に涙がポタポタ垂れていき、同じ赤だからか分からないが余計心にきた
黄瀬
「名字っち…もう赤司っちは…」
名前
『分かってる。記憶ないんでしょ』
黄瀬
「俺とか黒子っちみたいに戻るって信じてるッス…けど、その確率は低いッスよ」
名前
『いいよ。あたしはそれでも』
黄瀬
「…そうッスか」
徐々に涙が止まってきて、りんご飴を一口食べると少し塩の味がした
涼太の顔を見るとなにを考えているのか分からなかったけども、きっと帝光のことだと思う
黄瀬
「…じゃあ、俺は名字っちのことを支えるッス」
名前
『支える?』
黄瀬
「俺まだ名字っちのこと好きッスけど、赤司っちには勝てねぇッスわ
だから…支えるッス」
名前
『…ありがとう』
じゃあ笠松先輩所に行くッス!と言われてそれに付いていこうとすると同じように手を繋がれた
あたしはその繋がれた手に何となく安心感を持ち、キュッと握り返した