第11章 紫と桃と再会
という流れでやってきたストバスでテツヤとさつきはコートの中へと入ったが、あたしはフェンスに寄りかかってドキドキしているさつきの様子を見ていた
桃井
「何?」
黒子
「その新しい技を見せます
まだ未完成ですけど、青峰くんと仲直りのキッカケにでもして下さい」
桃井
「え!?でも…」
黒子
「いいんです。出し惜しみするつもりはないし、次当たるときまで隠し通せるものではないですから
構えてもらっていいですか?」
桃井
「え?」
黒子
「止めなくていいです。見ててください」
名前
『ちゃんと見てなきゃダメだよー!』
構えたさつきに対してボールを地面についてドリブルをし始めるテツヤ
瞬間、彼女から見ては恐らくテツヤが消えた見えたのだろう。気づいたら後ろに居たのにビックリしたのか目を見開いていた
桃井
「(今…え?何!?
まったくわからなかった…けど、もしこれが完成したら…分かっても止められない…無敵のドライブ!?)」
さつきの反応にニヒッと恐らく周りから見たら気持ち悪いであろう笑みを浮かべて2人を眺めてまた不思議な笑みを浮かべる
まあこの技のネタを知っているのが何て言うか…辛い
黒子
「じゃあ、行きましょうか」
桃井
「あ、もう駅すぐそこだから大丈夫!
服は今度返すね」
そう言って去っていくさつきに手を振ってテツヤと帰ろうとするとあたしとテツヤを呼ぶ声がした
ふと振り替えると息を切らしたさつきが笑顔で立っていて、戻ってきたのだと推測できた
桃井
「またいつかバスケやろーね!みんなで!」
黒子
「…はい」
名前
『みんな…か』
その中にあたしが含まれてるといいな。と願いながら、あたしは月をぼんやりと見つめていた
また彼らに、どうか幸せを