第11章 紫と桃と再会
それじゃあさつき送ってきます。と先輩から見送られて誠凛高校の敷地内から出てさつきの大輝に対する愚痴をひたすら聞いていた
ふとさつきが黙り込み立ち止まったためつられて立ち止まると、彼女は真剣な目であたしを見ていた
桃井
「名字ちゃん」
名前
『ん?』
桃井
「…何で、名字ちゃんは変わっちゃった青峰くんの性格、知ってるの?」
名前
『…』
桃井
「青峰くんは…名字ちゃんのこと聞くと必ず「あ?んな奴、しらねーよ」って返すの…だから」
さつきがその質問を訊いた瞬間あたしは言葉が詰まり、視線をさつきから逸らした
桃井
「名字ちゃん…?」
名前
『何で知ってるか。か…何でだと思う?』
黒子
「名字さんの…情報収集とかですか?」
名前
『じゃあそれで』
桃井
「ええ!本当は!?」
名前
『…さつき』
それ以上踏み込んじゃいけないよ。とこちらも真剣な目で見返すとさつきはその質問をすることを諦めたようだった
動揺さえしなければなんとか答えられたんだろうども…さすがにそれは無理だった
黒子
「そういえば、今日紫原くんと会いました」
桃井
「ムッくんと?
私あの子ちょっと苦手、だって何考えてるかわからないんだもん
まあテツくんもよくわからないけど…そこがミステリアスで好き!」
黒子
「…はぁ、そうですか」
名前
『(それはつまりテツヤを贔屓しているのか!?)』
桃井
「…何か珍しいね
そういえばテツくんがボールいじりながら歩くの」
黒子
「これですか?特訓です。新しい技の
そうだ。ちょっと寄り道していいですか?」
桃井
「え?」
名前
『別に構わないよ。どーせストバスでしょ?』
中学生の頃と変わってないね。と微笑みながら話すとテツヤはキセキの世代のことを思ったのか顔が曇った
そして彼は、まだあれから5ヶ月しか経ってないんですよ。と言ってストバスへ足を進めた
…こっちでは、5ヶ月なのか