第11章 紫と桃と再会
名前
『うっわ、ビショビショ…』
福田
「あ、あの名字さん!下、透けてる…」
名前
『あ』
…仕方ないですね。と言いながら来るときに着ていた横じまのシャツの上にはおっていた白のシャツをあたしの肩に掛けてくれた
さりげないところがイケメン過ぎて惚れそうになったんだけど…惚れた、か
火神
「つーかやけに険悪な挨拶だったな。仲悪いのかよ?」
黒子
「そんなことないですよ」
火神
「は!?」
黒子
「人としてはむしろ好きです。ただ選手としてはお互い気が合いませんでした
…なぜなら彼はバスケ自体が好きではありません
始めたきっかけは月並みに「人より体が大きかったから」小学校で始めてそれ以来ずっとCをやってきました
ただ…好きではなくとも彼は天才でした
やる気はなくてもできてしまう。そうしてバスケを続けていく内に彼はバスケに興味のないままCとして圧倒的な選手になりました
だからか才能があれば好きである必要はないと思ってるし、逆に好きでもない奴は見ててイライラする。以前そう言っていました」
テツヤからの紫原の紹介に着替える降旗くんと福田くんは驚きの表情を、木吉先輩はどこかに視線を送っており
火神はキセキの世代の話だからか真剣に話を聞いており、テツヤへと視線を送っていた
黒子
「…確かに、バスケを好きなだけでは勝てないかもしれないです
けどやっぱり好きだからがんばれるし、勝った時心の底から嬉しいんだと思います
だから僕はバスケが好きだし、みんなバスケが好きな誠凛が好きです」
木吉
「…」
名前
『よく恥ずかしい台詞言えるね』
えへっと可愛い子を演じながら言うといつもと違って気持ち悪いです。って断言されて傷ついた。慰謝料下さい
そんな感じで傷ついていると火神の携帯がバイブレーションが鳴り始めた
火神
「はあ!?」
降旗
「どーした火神?」
火神
「いや…監督が今から学校来いって…」
降旗
「ええっ!?」
名前
『傘取りに家寄ってもいい』
火神
「コンビニで買えよ」
名前
『値段が高いよ』
やっとあの子と再開できるんだなー。と期待すると目的地への一歩が軽く感じられて、笑顔になれた気がした