第11章 紫と桃と再会
紫原
「じゃーねー黒ちん」
そう言ってわしゃわしゃとテツヤの髪を撫でる紫原にいいなー。なんて感情を抱きながら見ていると、テツヤは撫でられるのが嫌だったのかパッと紫原の手をはらった
そう言えばあたしテツヤに撫でる手をはらわれたことないな…それは喜んでいいの…か?
黒子
「やめてください」
紫原
「あ、ゴメン。怒った?」
黒子
「紫原くん…今でもやっぱりバスケはつまらないですか?」
紫原
「その話それ以上するならヒネリつぶすよ。黒ちんでも
楽しいとか面白いとかそーゆー感覚わからない。けど勝負に勝つのは好きだし向いてるからやってるじゃダメなの?」
名前
『(…嫌いじゃないって前言ってたのに)』
紫原
「ま、反論あるなら聞くよ。ウインターカップで」
スッとあたしの横を通って去っていく紫原に視線を送る
それに気づいたのか彼はゆっくりとこちらを向いてあたしを視界に入れた
紫原
「さっきから見てなに~?」
名前
『ううん。何でもないから…気にしないで』
黒子
「紫原くん、彼女のこと…覚えてますか?」
紫原
「彼女って…この犬持ってるー?」
黒子
「はい」
紫原
「ごめーん
俺の中では記憶にないや~ 」
黒子
「そうですか…ありがとうございます」
紫原
「ん。またね~」
何とも言えない気分になりながら雨に打たれてテツヤ2号に顔を埋める
1号であるテツヤはあたしの頭を撫でて、大丈夫ですよ。と、言ってくれた
泣かないが、不覚にも泣きそうになった