第11章 紫と桃と再会
紫原
「ゴメ~ン。ちょおおっと待ってくんない」
氷室
「遅いぞ敦」
紫原
「わるいわるい。迷っちゃって」
黒子
「…お久しぶりです。紫原くん」
火神
「(まさか…コイツ…!?)」
紫原
「アラー!?黒ちんじゃんなんで!?
つか相変わらず…真面目な眼だねぇ…マジメすぎて、ヒネリつぶしたくなる」
誠凛
「(オイオイなにする気だよ!?)」
紫原の迫力にビビっている様子を見せる降旗くんを視界に入れながらあたしは紫原の方へと一歩そっと踏み出した
それは無意識で、審判もあっけにとられているのか注意はされなかった
紫原
「な~んて、ウソウソっ」
そう言ってテツヤの頭に大きな手を乗せてわしわしと撫でる紫原
あーそれ昔されたなぁ。なんて思い出に入り浸っているとテツヤは嫌だったのか彼の手をはらった
黒子
「やめてください」
紫原
「あれ~怒った?ごめ~んってば!」
火神
「(コイツ確か…インターハイの会場ですれ違った…
ハッ、どーりで…コイツが「キセキの世代」のセンター、紫原!!)」
名前
『(…やっぱでかいな)』
氷室
「来ないかと思ったよ」
紫原
「つーか急に会う場所変える方が悪ーし!
日本帰ってきて東京見物したいってゆーから来たのに…なんか結局バスケとかしてるしさ~」
氷室
「ああそうか悪い悪い。面白そうだったんでついな」
誠凛
「!?」
降旗
「ちょっ…陽泉って確かインターハイ出場校じゃ…!?
つい昨日までインターハイだったはず…なんでこんなとこに…」
紫原
「あーだって俺出てねーし」
火神
「!?」
降旗
「ええっ!?なんで!?」
紫原
「さぁ…?
てゆか赤ちんが言ったからそうしただけだし」
福田
「…は!?…なにそれ!?」
降旗
「しかも…は!?赤ちん?」
黒子
「…赤司くんです。「キセキの世代」で主将だった人のことです」
木吉・火神
「「!」」
紫原の赤司。という言葉にゆっくりと進めていた足を思わず止めて、中途半端な場所に立ち止まった
…きっと、彼も覚えてないのだろう