肉食系女子のススメ《恥ずかしがりやの彼女~番外編》
第3章 ようこそ!ダイニングバー【A-style】へ!《店長side
先程の照れ屋さんこと海斗以外にもホールを担当しているメンバーは沢山いる。
うちのバイト連中の中で一番古い沙織は、最近彼氏が出来たらしく、ある時を境に接客中の笑顔が増えたように思う。
………もしかして、なんだけどね。
沙織の彼氏ってバイト仲間とかなんじゃないかって思ってるわけですよ。
多分みんなは気づいていないと思うけど、俺ってば勘が鋭いからね!(←店長以外は知っているが)
客「すみませーん!」
お!B卓に座るお客様がお呼びだ!!
「はいっ!如何いたしましたか?」
行こうとしていた俺の横をスッと通った何か。
残り香はとても甘く、花のような香りがする。
柔らかな笑みを向けながらお客さんに対応する花音の姿にきゅんとトキメク胸。
あぁ……今日も可愛い///
って駄目!仕事中だぞ!俺!!
「モヒートをおひとつですね?かしこまりました。」
注文を受け終えたらしき花音が俺に気づき、ニコリと微笑んだ後に小さく頭を下げた。
この子は見た目は凄い美人ちゃんなのに、すんごく控えめな性格で、俺が皆からの愛あるツッコミ(←)を受けているときも必ずフォローしてくれる優しい子。
あーゆー子にはやっぱ彼氏いんのかな………
個人的にはファーストキスすら未だですよ、くらいが萌えるけどね♡てへ←
そ、そ、そ、そして俺がその唇にキ、キ、キッスを___ガンっ
菜奈「___邪魔。どいてください。」
店長「ぐはぁっ!………なっ菜奈っ!?痛かったけど!?」
一人楽しく妄想に耽っていたところ、突如感じた背中の痛みに悶絶する俺に、容赦の無い鋭い視線を向けてくるバイオレンス絶好調の菜奈の姿。
菜奈「………こんなところで鼻の下伸ばして花音のこと見ててキモかったんで。すみません(棒読み)」
店長「あいすみませんでした………。」
頭を深く下げていると、はぁ、と存分なため息を漏らしながら去っていく菜奈。……いつもながら怖かった。
花音が入ってから今まで以上に怖くなったしね!
つか花音に過保護すぎません!?俺ってば変な虫じゃないのよ!?
そんなこと考えていたらくるりと振り返る菜奈にビクリと跳ねる体。
菜奈「……店長、ドリ場にウォッカ持ってて下さい。」