肉食系女子のススメ《恥ずかしがりやの彼女~番外編》
第2章 どうしても欲しいもの《ライバルside》【R18】
助けたことなど当たり前かのように、
同時に、
そこに他意がないというように、
彼は仕事に戻るべく、自分の持ち場へと戻っていった。
ゆり(……優しいのも、時々残酷だよね……)
ゆりは少しの間、悠の去っていった先を見つめていたが、気合いを入れ直し、ホールを見渡した。
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店が閉店し、今は残ったスタッフで掃除や片付けをしていた。
店長「お疲れー!ゆりっ!今日すげぇ忙しかったなぁ~!お前が上手くまわしてくれたから本当に助かったわ!」
上機嫌の店長は、にこにこと笑いながらゆりの頭をワシャワシャと撫でまわした。
それに対しあからさまに嫌そうな態度をとるゆりに、店長は眼を潤ませながら、ひどい、と叫んでいた。
ゆり「だって、ゆり……これから大好きな人に、会うんだもん♪」
上目遣いで見上げてくるゆりに、鼻の下を伸ばす店長。
ゆりは心の中でそんな店長に対し、盛大にため息をついていた。
すると、聞こえてきた私の心を震わせる声。
悠「あ、いた。店長っ__っと、ゆりと話の最中でしたか?」
ゆり「悠さぁん♡♡♡」
勢いのまま抱きつくと、とくにそんなゆりを払うことなく悠は店長と話をしていた。
店長「あー、今度の木曜だよね?多分、大丈夫だと思うけど………いや。ちょっとわかんないな、待ってて!事務所行って確認してくる!」
一人騒がしくリアクションをとっていた店長は、何かを確認するべく事務所へと走っていった。
ゆり「…木曜日?」
首をかしげながら彼を見上げると、視線に気づいた悠が口を開く。
刹那、重なる視線に胸がトクンと羽上がるのを感じた。
悠「…ん?あぁ、大学の方で急用が出来てさ、休ませてもらおうと思ってな。」
ゆり「えぇっ!?休みなんですかぁ?悠さんいないならゆりも休む~!!」
だだっ子のように頭を悠の腕に擦り付けると、彼の大きな手がゆりの頭にポンと乗せられた。
ゆり(_悠さん///)