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私の記憶と、大事な人。 *ヘタリア*

第7章 本田菊さんの彼女。


そのまま寝室へと案内された。
既に布団は敷かれ、万全な状態。

菊「私はこれからまだ居間に居ますので、何かあったらお声をかけてください。では、おやすみなさい。」
心夏「え、本田君まだ寝ないの…?」
菊「えぇ。折角ここに来たので、色々整理してから寝ます。」
心夏「そ、そっか…。おやすみ…。」
菊「はい。おやすみなさい。」
襖がゆっくり閉まった。

本田君の邪魔をするわけにもいかないし、すぐに私は布団に潜った。





…けど、


全く寝付けない。


普段なら基本どこでも寝られるはずなのに…。←




あぁ、やっぱり無理だ。限界。
寝よう、寝ようと思うと余計に眠れない。

私は居間に向かった。


本田君の背中が見えた。



菊「…あら、まだ起きてらしたんですか?」
心夏「あぁ…うん。なかなか眠れなくってさ。」
菊「でしたらホットミルクでもお持ちしましょうか…?」
心夏「あっ、いや!いいの!大丈夫、多分ここに居ればすぐ眠くなると思うから…。」
そういって私は本田君の隣に座った。

本田君は無言で私の頭を優しく撫でる。
猫か犬にでもなった気分。

菊「……これ、見ますか?」
差し出された本の様なものには表紙に"アルバム"の文字。
心夏「私が小さい頃の?」
菊「えぇ。そうですよ。」
心夏「…………。」
恐る恐るページをめくる。
これはきっと4,5歳のころ。
どの写真も怒ったような、どこか寂しそうな、そんな表情ばかり。

心夏「…もっと、笑顔じゃなきゃ、私じゃないよ」
無意識に写真を指差し、写真に話しかける。



気付いた。


心夏「ねぇ、本田君。」
菊「はい、なんでしょうか?」
心夏「本田君、年取ってないよね?」
菊「…………え?」
心夏「どの写真も、本田君、今と変わってない。それに、私たち同い年のはずでしょ?私が小さい頃本田君が私を預かって育てたって…?どういうこと?」



菊「まぁ、言うなれば某番組の豆助のようなものでしょうかねぇ」
本田君はおどけて見せる。

心夏「……ふーん。」
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