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私の記憶と、大事な人。 *ヘタリア*

第8章 なつ



菊「………菊…くん、ですか」

心夏「もしかして嫌?ていうか…それ以外になんて呼べば…」

菊「いっ、いえ、すごく嬉しいです…本当に!」
本田君、じゃなくて 菊くんは目尻の少し下がった笑顔を向けた。


ていうか…本当にさっきの腹痛はなんだったんだろ。生理痛なのは確かだけど、嘘みたいに痛くない
まぁ、その方がいいんだけどさ





いつも通りのしょうも無い会話を続けていたとき、聞き慣れた授業の終わりを伝える鐘の音が校舎内に響いた。

心夏「次の時間ってなんだっけ?」

菊「えー…と、確か美術ですね」

心夏「じゃあ、私も授業出ようかな」

私は薄い毛布から足を出そうとする
その時、菊くんは私の肩を軽くつかんで、

菊「だっ、大丈夫ですか、歩けますか? なんでしたら私が抱えて行ってもよいのですが…」

心夏「え、全然大丈夫だけど…   ?」

私が立った姿を見てあわあわしている菊くん… そんな、私は生まれたばかりの馬じゃないんだから。←

心夏「とにかく、大丈夫だってー ほらほらっ」

足取りが少し重いような菊くんの背中を無理矢理押して、私たちは保健室を出た
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