第5章 喧嘩の始まりの始まり。
-菊side-
菊「………………善処しま…」
その一言で話を終わらせられれば__
バンッ!!
菊(…っ!?;)
アーサー「真面目に答えろ。俺は好きだ。大好きだ。…どうしようもないぐらい…」
顔が真っ赤になっているアーサーさん。
いつもならツンデレ行為に移るはず…ですが、よほど心夏さんに惚れているようですね。ものすごく真っ直ぐな目でこちらを見ていました。
菊「………………」
アーサー「言え」
菊「好きです。大切です。」
……………あぁー…。言ってしまいました…。
微妙な顔をしているアーサーさん。
私もなんだか複雑な気持ちです。
心夏さんがみなさんに好かれるのは、全然構いません。むしろ、誰かと仲良さそうにしていると、昔を思い出して、…微笑ましいです。
ですが、…誰か個人の"貴女"になってしまうのは、嫌なんです…。
アーサー「…やっぱな…大体は感づいてたんだが…。やっぱこうしてお前の口から直接聞くと、なんか嫌だなぁ」
菊「…すみません」
アーサーさんはいいのに、私は好きと言うのが駄目ですか。…。
アーサー「…はぁー…。」
溜息なんてしているんですか…。
菊「溜息なんかして、…やはり、私のせいでしょうか」
アーサー「そうだ。」
…何でしょうか。この心の奥底から湧き上がってくるようなもやもやは…。
これが、"腹が立つ"ということでしょうか。
こんな気持ちは初めてです。…悪い意味で。