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私の記憶と、大事な人。 *ヘタリア*

第5章 喧嘩の始まりの始まり。


心夏「はぁーぁ…。」

大きな溜息が自然に出る。

図書室を出て、帰りの用意をしに教室に向かった。

心夏「なんでとっさにあんなこと言っちゃったんだよー… アーサー君に嫌われちゃったらどうしよう… あぁー… きゃっ…!?」

誰かにぶつかった。

アル「あっ 心夏じゃないか!悪いな;大丈夫かい…?;」
心夏「あっ…アルくん‼ 助けてぇー…」
アル「あぁ、いいぞ!やっとヒーローの出番だな!」
心夏「ヒーロー?; ま、いいや、そこは触れないでおく。アーサー君のことなんだけど…相談にのって…。」
アル「またアーサーとなんかあったのかい?ったく、アーサーも諦めが悪いなぁ」
心夏「違うのっ!;その…私が告白しちゃったんだよね…」
アル「!?」

ものすごく驚いたような形相で私を見てくる。
そりゃ、驚くよね…。

アル「…安心してくれ、俺がちゃんと訂正しておくから…」
心夏「い、いや…あのね?私…わかんなくなっちゃって…。誰が好きなのとか、さ。そして勢いで告白しちゃったりするし…。なんか怖いの…。」

そしたら、すっごいやさしい笑顔でアル君が頭を撫でてくれた。

心夏「…?」
アル「別に、今すぐ決めなくてもいいんじゃないか…?君の気持ちの整理がつくまで待って、ついたら告白して付き合えばいいんじゃないか?焦って後から後悔したら、最後に辛くなるのは君だぞ。俺はみんなに幸せになってほしいからな!」

驚いた。

アル君がこんな風に考えてるなんて…。



アル君の言葉を聞いてたら、じーんと来た。
正直、泣きそうな位安心した。

心夏「アル君のくせにー、アル君のくせにーーーーっ‼」
アル「な、なんだそれ、異様にひどくないかい!?」
心夏「…でも、落ち着いた。本当、ありがと…」

私からぎゅーっと抱き付いた。

アル「…?心夏?どうしたんだい?」
心夏「ありがとうの挨拶…。欧米ではこれが普通でしょ?」
アル「…そうか!」
心夏「"ありがとう"でいっぱいだから」
アル「ほら、もう女の子はそろそろ帰らないと危ないぞ?」
心夏「うん、帰る。じゃあね!ありがとう、アル君のおかげ。またあしたね」

手をひらひら振るアルくん。
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