第4章 過去、過去、過去
本田くんが私の目の前にいる。
菊『心夏さん』
心夏『はっ はい!(?)』
本田くんが私の手を取る。
え、なに、これ、え!?
菊『・・・・・ です』
心夏『・・・え? ごめん、聞こえなかった・・・』
菊『だから、早く……… です』
心夏『え!? なんて?』
何度も聞きなおすけど聞こえない。
菊『………今は、まだ いいです』
ん………?
心夏「!」
あと少しで聞けるとこだったのに・・・
いや、夢だけどさ。
全然体調が良くならない・・・。
・・・人に会いたい・・・。
一人になりたくない。 誰かお見舞いとかに来―――
ピンポーンッ
女の子の友達そんなにいないのに、誰だろう?
走って玄関へ向い、勢いよくドアを開けた。
心夏「はい! 誰・・・で、す か」
菊「こんにちは。ちゃんと寝ていましたか?
ほら、そんなに薄着をしていると悪化してしまいますよ?」
心夏「え、……… 本田くん・・・?
これは、夢ですか?」
本田くんはクスクス笑いながら、私に制服のジャケットを肩にかけてくれた。
心夏「え、な、なんで・・・ 本田くんが・・・ ここ、女子寮だよね・・・?」
菊「とりあえず、早く暖かくして横になってください。あとは後ほど説明しますから」
なにこの少女漫画な展開は・・・
でも、嬉しくて泣いてしまいそう。