第8章 なつ
アーサー「あ。心夏じゃねえか。Good morning.」
心夏「え。」
アーサー「え?」
まさか向こうから話しかけてくるとは思わず、妙に阿保な声が出た。
それにつられてアーサー君まで拍子抜けした声を上げた。
そして2人の微妙な間の後、どちらともなく小さく吹き出した。
心夏「…はぁぁ…良かった!アーサー君と…もう仲良くできないかと思ったよー…」
アーサー「…は?…なんでだ…?」
心夏「え、なんで…って。」
そりゃあんなことがあった後じゃ、…ねぇ?
アーサー「ってか、お前がなんでそんな風に思うのか俺には理解できねえ。そう思うべきは俺だろうが」
淡々と割ときつい言葉をなんの躊躇いもなく紡ぐアーサー君。
でも、今はそんな風に冷たくされるのが嬉しくもある。
何も冷たくされるのが嬉しいってことじゃなくてさ、こういうよくある"友達との光景"って言うの?
正直に思ってるありのままを伝えてもらってる嬉しさ?
言葉にはし辛いけど、
とにかく嬉しいんだ。