第7章 本田菊さんの彼女。
………ぁ。
違和感を感じ、すぐに立ち上がった。
心夏「…っあ…え、えっと…ごめん、ちょっと待ってて…;」
菊「…?わ、分かりました」
私は慌てて部屋を出た。
そして誰にも見つからないように男子寮を抜け、女子寮の自分の部屋、トイレに駆け込んだ。
やっぱりだ。
生理が来た。
予定日はまだのはずなのに。
安堵なのか残念なのかよくわからない溜息を吐いた。
心夏「………。」
気持ちの整理をつけ、本田くんにメールではなく電話をかける。
発信ボタンを押すと、すぐに出てくれた。
菊『心夏さん…どうしたんですか?…大丈夫ですか?;』
心夏『……あの、えっと…。』
声が曇る。
心夏『……せ…、ぃり…でした…』
菊『………』
ですよね。呆れて声も出ませんよね。
直球で言って事を後悔する。
菊『………大変、…申し訳ありません…』
心夏『…えっ?』
思いがけない返答に我ながらあほな声が出た。
菊『そういうこと…確認していなかったので、なんかほんと…あぁ…申し訳ありません…!』
全力で謝る本田君がおかしくて自然に頬が緩んだ。
心夏『ううん、本田君は悪くないの…。ほんとは予定日まだまだだったんだけど…急に、ね…。』
菊『そうなんですか、では、…こういうこと言うべきか分かりませんが…安静、に…していてください…ね』
心夏『うん、わかった。…ごめんね』
菊『いえいえ、そんなことより、早くお休みになってください!明日、学校で会いましょうね。』
心夏『分かった、寝るよ。また明日ね、ばいばい』
電話を切った。
あぁ…。と情けない声を出しながら寝る支度をして、明日に備えて早く床についた。
でも、
緊張が解けなくて眠れそうにありません。