第7章 本田菊さんの彼女。
私はふと目を開けた。
見慣れた天井、すっかり違和感のない匂いの枕、布団。
ここは紛れもない私の部屋。
なんで私がここにいるかっていうと、
-昨日の夜-
私の着ている洋服のボタンを一つずつ、ゆっくり外していく本田君。
私はそれを緊張しながらぼーっと眺める。
ボタンだけ外し終わると、長い、長いキス。
頭の中、心の中、体の中、すべてが甘くとろけそうになる。
息が持たなくなると酸素を欲して時々変な吐息が出てしまう。
それがたまらなく恥ずかしくて俯くと本田君が私の頬に手をやり、顔を上げさせてまたキスをする。
今までと違い、フレンチでないキス。分かるでしょ?
「…も、駄目…息続かな……//;」
肺活量と緊張が度を越え、私は少し本田君から離れた。
私の様子を伺うなり本田君は私に後ろから抱き付いてきた。無言で。
「可愛い。」
「そんなことありません。」
すると、またキス。
そこから中々進まない。
というよりも進めない。
きっと、本田君もそんなこと考えてるんだろうなーとか思う。
とか油断していたら
本田くんが私の首筋を舌でなぞった。
思わず漏らした声と呼べない声に自分自身が一番驚いた。
私の反応に目を丸くした本田君だったけど、次の瞬間にはもう余裕の笑顔。
こういうところで甘く見られてるんだな、とつくづく感じる。
この部屋に来て早40分。
私の鼓動は駆け足を止めず、秒針さえも遅く感じる。