第7章 本田菊さんの彼女。
心夏「……こんばんは。」
菊「はい。こんばんは。」
23時15分。
私は本田君の部屋に来ました。
なんでここまで話が飛んだかって言うと、ほとんど二人とも無言だったからです。ええ。←
菊「…眠くはないですか?」
心夏「え?うん」
菊「お腹空いてませんか?」
心夏「うん、大丈夫だよー」
菊「どっ、どこか身体に不調はありませんか?」
心夏「ないない」
落ち着きのない本田君。
それは私も同じ。
菊「私から言い出したようなものなのに、日本男児として示しがつきませんね…。…では」
心夏「? ………ぅあ」
いきなりベッドに押し倒された。
急すぎる。
だけど、本田君に力が入っていないよう。これならすぐに抜けられそうな。
心夏「……本田君、力、入ってないよ?」
悪意なんて全くないけれど、笑ってしまった。
菊「…」
心夏「…わっ」
一気に力が加わった。体が思うように動かない。
菊「これでどうですか、油断できないようにしましょうか?」
心夏「それってどういう…」
菊「さあ、どういう意味でしょうかね」
菊「…なんて強がりはよします。実は今、恥ずかしくて死んでしまいそうです。視線を逸らさないでいるだけで必死です。
格好付かないですよね、わかってます。
でもこれだけは約束します。何があっても貴女を傷つけません。痛めつけません。悲しませません。
ですからどうか、貴女を私に預けてくれませんか。」
私は覚悟を決める。
本田君だったら
私のすべてを。
心夏「もちろん。」
私はゆっくり、ゆっくり目を閉じた。