第7章 本田菊さんの彼女。
フェリ「…っあ。もうこんなに時間経ってる!?」
フェリシアーノさんがふと腕時計を確認した。
時間はすでに話し始めてから3時間半ほどが経過していた。
菊「おや、本当ですね。全く気がつきませんでした。」
ルート「こんなに長時間話し続けるなんて久しぶりだ…」
心夏「あー…じゃあ、そろそろ解散…しますか?」
私も含め全員が名残惜しそうにお店を出た。
ルート「よし、じゃあ寮に戻るか。」
フェリ「うん!…って、あ‼俺帽子買うの忘れてたよー、この近くにおしゃれな帽子屋さんがあるって聞いたんだー、ルート、行ってみようよ!」
ルートさんは長い溜息を吐いた。
心夏「なんやかんやあって二人になっちゃったねー」
菊「一気に静かになった感じしますね」
私たち二人は顔を見合わせてくすくす笑う。
心夏「じゃあ、寮に戻ろっか」
菊「心夏さん、何か忘れてますよ?」
心夏「何か?」
菊「…恩返し。」
心夏「……………あ。」
すっかり頭から抜けてました。←
菊「…今日じゃないと駄目です。」
心夏「あー…うん。分かった、頑張る!じゃ、どこか行きたいところある?」
どこか行きたいところに行って恩返しなんて安易すぎるけど、今の私にはこれしか思い浮かばなかった。
菊「…じゃあ、私についてきて下さい。」
心夏「う、うん」
いつもより本田君の歩くスピードが速く、私は小走りでついて行った。
心なしか本田君の耳が赤くみえる。
少しの異変を感じながら私はただ本田君を追いかけた。
菊「………ここ、です」