第7章 本田菊さんの彼女。
店員「お待たせしました。」
注文したケーキと紅茶二つを小さいテーブルに置き、一礼して店員さんは部屋を後にした。
菊「こっちに来てください」
心夏「え?」
私は手を引かれ本田君の椅子に座った。
菊「……」
本田君の視線は一度もずれずに私の方に。
心夏「え、え…?本田…君…?」
菊「いちゃいちゃしたいのは…私も同じです…。」
一瞬視線がずれ、また戻った。
今度はほんのり顔が赤い。
菊「私、なかなか一歩が踏み出せなくて…思っていることも直接伝えられないこと等ありますけど、…一番大切なのは、昔と変わらず…貴女なんです。一番愛おしく、好きなのは貴女なんです…。」
心夏「…え、っと…// …っ」
本田君が私の頭を寄せ、キスをする。
菊「……い、今の私、どうかしてます…。」
心夏「それでもいいよ」
今度は私からキスをする。
菊「……!///」
心夏「本田君ならね、私はどんな本田君でもいいの。おかしくていいし、かっこよくなくてもいいの。好き。大好き。……やっと言えた」
菊「心夏さ―――」
「こっ、こら‼フェリシアーノ‼‼」
低くて図太い声が部屋中に響く。
フェリ「ciao!」
菊「ルートさんに、フェリシアーノ君…?なぜ…ここに?
…………というか何故このタイミングで…?」
ルート「…すまない。本当にすまない…。」
フェリ「なんかいい感じになってたみたいだから、入ってきちゃった♪」
菊「……はは。こんにちは。」
完全にまるわかりな愛想笑いをし始める本田君。
フェリ「ヴェー、可愛い女の子だね!ねっ、ルート!―――って、え?え?」
何かを察した筋肉質な長身な男の人が、くるんと一本髪の長い男の人を連れて部屋を出て行った。
菊「…はぁ。なんだかすみません…。ちょっとあの二人のところに行ってきます…」
心夏「…ん、あ…」
菊「大丈夫です、すぐ戻ってきますから」
にこ、と笑顔を浮かべて本田君は部屋を出た。