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【ONE PIECE】僕に盲目になって【ローorキッド】

第1章 君の光を守りたい二ヶ月間






簡単な質問をしたつもりだが、女は難しそうに考えながらひとり頷いた。
どうやら本当におれへの態度は嘘偽りは無いらしい。
つくづく不思議な女だ。


「…殺したくなったら、前もって言ってやるよ」


きっと、そんなことにはならない。
この女が敵のスパイでも無い限り、殺す必要は無いからだ。
それでもそんなおれの言葉にすら一々驚いた素振りを見せ口籠る様子が可笑しくて、おれは笑いながらワインのストックを持ってくるように空になったワインボトルを持ち軽く揺らした。


「あ、そうだ。ごめんなさい、自己紹介が遅れました…私、○○ ○○と申します」

「……ユースタス・キッドだ」

「ユースタスさん、ですか」

「…そんな風に呼ばれることは無ェけどな」

「えっ…キ、キッドさん…の方が良い、ですかね…」

「……好きに呼べよ」


新しいワインをおれに注ぎながら、ひとりで楽しそうにしたり焦ったりする姿は見ていて飽きない。
気付けば辺りは日が落ち始めている。未だ鳴ることの無い子電伝虫を、テーブルに置いて何となく眺めた。
何かがあった、という訳ではないだろう。大きな騒ぎになればさすがにこの場所でもわかる。つまりまだ、様子見の段階ということだ。


「お腹空きましたね。今晩はシチューにしようと思います。パンとライスはどっちにしますか?」

「…飯までおれに振舞うのか」

「キ…キッドさんは大袈裟ですよ、さっきから。もうそんな時間だと思っただけです」

「…パンでいい」

「やった!丁度おいしいパンが有るんですよ。食べて欲しいです」

「……それを食い終わる頃にはおれも此処を出れるだろうよ」
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