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【ONE PIECE】僕に盲目になって【ローorキッド】

第1章 君の光を守りたい二ヶ月間





「キッドさん」

「随分遅かったな」

「あはは…ちょっと、買い物をしていたら…楽しくなってしまって…」

「海軍はまだ街に居るのか」

「はい。何だかすっかり飲み会始めちゃったみたいですよ。いつも通り寝泊まりは船でするそうですが…出港は明日の朝かと」

「…お前…そんなに何買ってきたンだよ」


○○は帰ってくるなり大荷物を足下に置いて汗ばんだ額を拭いながら笑った。
大きな紙袋が一つ、二つ…計四つ。
確かに、余分に渡した金で好きな物を買えとおれは言った。
だが、こいつは何だかんだで頼んだウィスキーだけを持って帰ってくるんだろうと何処かで思い込んでいた分、複雑な気持ちもあるのだ。
ましてや、こっちとしては島の状況が一刻も早く知りたかったというのに。その点では、いくら親切を振り撒いたところで、やはり他人事に過ぎないんだろう。そんな皮肉を内心でぼやいた。


「キッドさん、今夜は私の家にお泊りください」

「……は?」

「サイズは多分、大丈夫な筈です」

「…おい、それ…」


袋から○○が出し始めたのは、明らかに男物の服だった。それも、何着も。


「歯ブラシとかも買ってきましたよ。それと何着ずつか、下着にパジャマに普段着に…」

「…買い過ぎだろ」

「変に安物でも嫌がるかと思って普通より少し高い物を買ったつもりなんですけど、それでも半分以上お金は余っちゃったんです。キッドさんやっぱり金銭感覚可笑しいですよ…」


いくつか出されたものも、袋の中で畳まれたままのものも、当然こいつが着れるような服は一着もない。
どれも自室のクローゼットに眠る私服には絶対無いようなタイプの極普通の洋服。この手のファッションは全くと言っていい程わからないが…センスは、悪くないように思えた。
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