第5章 媚薬◇黒子テツヤ◇
「さん……今何を入れたんですか…?」
「ん?直ぐわかるよ。何せ即効性だもん」
「即効性…?」
口に入ってきた異物の感触と、今のさんの言葉で全て理解しました。
彼女は僕にアレを飲ませたんです。
入手経路は分かりませんが……あの薬、媚薬を。
「さん……僕は今日……クッ…!」
「もう出てきたね。熱い?」
「ハァ…ッ……あ……熱いなんてものじゃ……」
「息も荒くなってきてる……どう?色々触って欲しいんじゃない?」
確かに全身ウズウズしているし、気分もおかしい。
けど素直に「はい」なんて言いたくありませんでした。
今日こそは僕がって思っていたのに……これではいつもと変わりません。
「やって欲しくないの?」
「い……やです……」
「ふーん……触られるだけで感じるのに…?」
「ああッ…!あ……ダメ、です……触らないで……」
「ならそこで効果が切れるまでずっと寝てれば?」
「待っ……さ……」
「ダメなんでしょ?私知らない」