第5章 媚薬◇黒子テツヤ◇
僕だって男だし、彼女を攻めたい気持ちはあります。
僕の下に横たわせ、僕の手で感じてもらい、最後は一緒に……。
一見簡単そうに見えるかもしれません。
男の僕の方が力はありますし。
けど簡単じゃないんです。
さんは僕の手をすり抜けるのが上手い……。
「どうしたの?」
「……なんでもないです」
「何か暗いね。嫌な事でもあった…?」
「……そうですね」
「そっ……か、なら丁度いいかも」
「え?」
「ふふふん!」
今日も何かして来る……そう思いました。
企んでいる時、さんはテンションが上がります。
今もそうでしょう?こんなに笑顔で。
けど彼女が僕を攻める事、別に本気で嫌というわけではないです。
ただ……やっぱりこっちが攻めたい。
もし今日シて来るなら……
何処かで勝負を仕掛けて、必ず形勢逆転させてみせます。
「……」(グッ
「何ガッツポーズしてるの?」
「気合いを入れてました」
「なんの?」
「それは秘密です」