第6章 鼓動のSerenade*菅原孝支√
ーーーーーーーーーーーーーー
「今日も手伝うよ。」
桃は昨日のこともあってどんな顔をすればいいかわからなかった。
だから断ろうとしたのだがそれより先に菅原が言葉を紡いだ。
「おれも話したいことがあるんだ。」
真剣な目に見つめられる。
桃は頷くしかできなかった。
「おれも逃げたんだ。」
「えっ…?!」
外に出て2人になってから、菅原が述べたことに桃は驚きを隠せなかった。
心臓が大きく跳ねる。
「ど、どういうことですか?」
動揺しているようで、声がかすかに震える。
(私が昨日あんな話をしたから冗談で和ませようとしてくれているとか?…いやそれにしては真剣ですし…?!)
桃は理解できず混乱していた。
「ごめん、いきなり…!」
混乱する桃を見て菅原が吹き出す。
その笑い声でさっきまでのピンと張り詰めた空気が、緩んでいった。
「そ、それで…どういうことなんですか?」