第6章 鼓動のSerenade*菅原孝支√
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今日も菅原は桃を手伝っていた。
手伝いながら、色々な話をしていた。
2人からは笑みが溢れる。
「ねえ、ひとつ聞いてもいい?」
菅原はタイミングを図って、ずっと聞きたかったことを言うことにした。
「答えられることであれば…」
桃が頷いたのを確認して話し出す。
「東山ってさ、『王女』って言われるの嫌なんだろ。」
「…わかりますか?」
「見てれば。」
菅原は苦笑する。
(ずっと東山のこと見ていたみたいに聞こえるかな?)
と思ったが、桃はさして気にした様子もなかったので、話を続ける。
「もしかしてさ。東山がバレーを止めたのってそれが関係あるの?」
「………」
そう聞くと桃は黙った。
(菅原さんにそんな話しても、迷惑になりますよね…)
(それに菅原さんは優しいから心配かけてしまいそうです。)
胸の奥がキュッとなって、桃はカゴを持った手の力を強めた。
沈黙が答えられないことを意味していると思った菅原が、慌ててフォローする。
「別に答えたくなかったら、答えなくていいからな!無理すんなよ!」