第6章 鼓動のSerenade*菅原孝支√
「菅原さん。」
「え、なに?どうしたの?」
「いや、菅原さんは凄いなぁって思いまして。」
突然の桃の発言の意味が分からず、首を傾げる。
そんな菅原を見た桃は「あ、ごめんなさい。」と苦笑を浮かべると、言葉を続けた。
「今日、見ていて思ったんです。チームの皆さんから信頼されるセッターって凄いなぁって。」
「でも、影山の方が…」
天才と言われる影山も烏野にはいる。
菅原は彼の方が自分より優れていると思っていた。
「んー?影山くんも凄いと思いますけど…」
桃が顔を上げる。
2人の視線が絡まる。
「この合宿で一番、チーム全員と信頼関係を気づけているセッターは菅原さんだと思うんです。」
「まあ、私の意見ですけどね。」と付け加えると、気恥ずかしそうに目をそらせた。
「そっか…ありがとう。」
好きな子にそんなことを言われるなんて思ってもいなかった菅原は、明日からも頑張ろうと思えるのだった。