第5章 意地悪なJoker*黒尾鉄朗√
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合宿最終日。
全員が合宿を最後まで楽しもうとしていた。
…但し音駒高校を除くが。
原因は昨日の黒尾たちにあった。
「あいつら今日も話してないのか?」
「多分…」
「研磨、どうにかしろよ!」
「…面倒くさい。てか大丈夫、だと思う…」
昨日から黒尾と桃が話していない。
といっても桃がさけているようなのだが。
『喧嘩するほど仲がいい』
なんて言葉もあるが、いつも仲の良い2人が話さないなど一大事すぎて、他の部員全員が心配するほどだった。
事情を聞こうとすると、
「東山!」
「はい!」
「黒尾となにかあったのか?」
「べ、べべ別になにもないですっ!」
桃は何もないわけがない反応を残して逃げてしまう。
「黒尾!」
「なんだ?」
「東山となにがあったんだ?」
「あー、まあ色々、な。悪い…」
黒尾はやけに素直で、皆が戸惑うばかりだった。
(このままではいけない…!)
全員そう思い、この状況を打破しなければならないと考えた。
勝負はBBQ。
そこでどうにか仲直りさせなければならなかった。