第5章 意地悪なJoker*黒尾鉄朗√
「どういうことだ?」
「いえ、なんだかクロとはずっとこんな関係でいられる気がしたんです。」
(何でも話せる関係で…)と心の中で付け足した。
「いや。そうとはかぎらねぇよ?」
妖しく微笑んだ黒尾に桃は思わず後ずさると、壁に背がついてしまう。
そのまま逃がさないとでも言うように、黒尾の両手が桃の顔の横に置かれた。
「ク、クロ…!」
困惑した桃は、真っ赤になりながら口をぱくぱくさせている。
黒い笑みを浮かべていた黒尾が、ふいに真剣な顔になる。
「好きだ…」
「っ!」
「桃とずっと幼なじみってだけの関係でいるつもりはないから…」
囁きが、甘すぎる。