第4章 Innocent Love*孤爪研磨√
「いやー、お二人ともやりますのぉ!」
2人の世界になっていた雰囲気を破ったのは黒尾だった。
愉快そうに笑っている。
「「っ!」」
そこで2人は注目を浴びていることに気がついた。
すかさず体を離す。
「まあ、良かったんじゃねぇか?お前たちが両想いなこと、バレバレだったし。」
「ク、クロ?!」
「あっ…!」
黒尾の愉しそうな口調に桃が後ずさる。
「恥ずかしいですっ………!」
「え、桃?!」
桃はその場から走っていった。いや、逃げ出した。
「ほら、研磨!追いかけろっ!」
「うん!」
後を追うように孤爪も駆け出した。
「良かったな、2人とも…」
幼なじみたちを祝うように黒尾が小さく呟いたことを、2人は知らない。