第4章 Innocent Love*孤爪研磨√
「翔陽、手離して。」
桃が後ろを振り向くと、真剣な顔をした孤爪がいた。
「桃はおれのだから。」
「?!」
孤爪の口から紡がれた言葉に桃は目を丸くする。
「もう一回、ちゃんと伝える。」
腕を引かれ、桃が孤爪の胸に飛び込む形になる。
孤爪の香りが鼻をくすぐる。
「おれ、幼なじみとしてじゃなくて…女の子として桃が好きだから…」
トクンー
全身が跳ねる。
身体が甘く震える。
「…勘違いしてました。」
桃は孤爪のシャツをギュッと握りしめる。
「でも、」
「私もケンを………男性として好きなんですよ。」
2人の鼓動が高鳴り、重なる。
2人には速い鼓動がなんだか心地よく感じられた。